上弦の月と下弦の月
「その子は男の子なのよね?
名前はあるの?」
それに対してブライは首を振った。
「そう。
何か提案はあるのかしら?」
それに対してはニヤッと笑うブライに妻はほほえむ。
「“ウィン”だ。
どうだ?」
「フフ、もう決めていたのね。
あなたがそれでいいのなら、私は賛成よ。」
ウィンと名付けられた赤子を見て2人は微笑んだ。
これは小さな風の日の出来事。
そして小さな運命の歯車を回し始めた─────