上弦の月と下弦の月
二百年程前のことだった。
その頃のこの世界は、突然やってきた異世界の訪問者と戦っていた。
それは『魔族』と、名乗る者達だった。
その中でそれらを率いる『魔族の王』即ち魔王を人々は最も恐れていた。
強大な力を持つそれは、一瞬にして何十人もの人々を、いとも簡単に消し去るほど脅威なのだ。
しかし、その頃の技術はあまりにも乏しく、人々は対抗することが精一杯できることだった。
死者も少なくはなかった。
その者達の目的は
『自分達の新世界を築くこと』
だった。
そして、目を付けたこの世界を我がモノにしようと攻めてきたのだ。
いつかは人々を根絶やしにし、魔族の暗黒の世界を創ろうとしていた。
人々はそれを知り、
ある者達は必死で戦い、
ある者達は対抗するために研究を重ねていった。