上弦の月と下弦の月
「おーい!
みんなぁ〜!!」
「ライル速いってば〜!!」
この2人もその宿命が故、魔道士として修行中の身。
しかも、言い伝えのように生まれてきた2人ならば、魔道士として生きてゆくのは決められた事でもあるようなものだ。
運命に縛られている2人。
小さな2人には重すぎるくらいなモノだ。
そのぐらい大きな、世界の命運がかかっているくらい大きな、重い、宿命。
だが、まだ2人はそのコトを知らない。
伝説は知っているが、自分達がそんな運命の道を歩いているとは知らないからこそ、明るい子たちになった。
“魔族が来るまで、平和に、楽しく、毎日を過ごさせてあげたい。”
それが両親の願いだった。