屋根ウラの天使


正確には

浮いて、いたんだ


だってここは

屋根ウラの窓

大人のドロボウだって

ここまで登るのは

大変なはずだ


背中に背負った

リュックだと思っていた影が

月の光に照らされて

白く輝く

羽根なのが分かった


でも

その大きな鳥のような

羽根以外は

男の子は

私と同い年くらいの

フツーの男の子に見えた

服も

Tシャツに半ズボン

そこらへんの子供と

変わらない


「あなた…何?

ドロボウ?

人間には見えないって

どういうこと?」


私は

危ない人が来たから

パパとママを呼んだほうがいいって

分かってたけど


なんとなく

悪い子じゃないような気がして

話しかけてみた




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