屋根ウラの天使
「ボクは『天使』!
羽根を見たら分かるでしょー?
全く、
こんなに立派な
天使さまをつかまえて…」
男の子はそのまま
口の中で
ブツブツ
文句を言っているようだった
「て、
天使!?
うそだあー
ねえねえ
その背中のヤツ
どんな仕掛けなの?」
自分のことを天使という
自分と大して変わらない
男の子
私は当然
全く天使なんてことを
信じることができない
だって
4月からは
もう6年生だよ?
もう
天使やサンタを信じるような
小さい子供じゃ
ないんだから。