屋根ウラの天使




車がいなくなったのを確認すると

ハルキくんはおそるおそる

上を見上げた



まるで信じられないって

顔してる



そりゃ、そうだ

ハルキくんには天使が見えてない



トモキくんが

一人で宙に浮かんでるように見えてるんだ




天使はついに

重さにこらえ切れなくなったみたい


そっと

トモキくんを落とさないように

ゆっくりゆっくり

地面に降ろした



私もやっと立ち上がる力が戻った

天使のもとに駆けよった



小さい子供とはいえ

抱えて飛ぶのは重かったんだろう

いっつもあんなにはしゃいでも平気な天使が

ゼイゼイ肩で息してる




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