屋根ウラの天使



「う…わっ!」


ひとりでに浮かんだボールに

驚くハルキくん

そりゃ、そうだ

天使は、はしゃいで

上空をグルグルしてる



(一人前~

輪っか~

お祝いに遊ぶぞーっかおるーっ)



「あんた、いつだって遊んでるじゃない」



はっ、

また普通にしゃべっちゃった!!

ハルキくんが

横にいるのにーーーっ



(うえーーー

かおるのイジワルー

イジワルおばさん!)


なんだとぅ!?

言い返しそうになる言葉を飲み込む。


天使はブツブツ言いながらも、

私のそばに降りてくる。


そして、

トモキくんにボールを差し出した。


「ありがとなっ、

楽しかったぞー

また遊ぼうなー」


だから聞こえないし

見えないってば。



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