屋根ウラの天使




「…ウソ、あったかい」

そう、

仕掛けだと思って

触った羽根には

ちょうど人間と同じくらいの

温もりがあった



天使はくるっと私のほうを向き

さっきと同じように

腰に手を当てて

こんどは自慢げに言った



「へへん。

どうだ、思い知ったか!!

これが天使さまの

生モンの羽根だっっ」



「ホントに天使?

天使がこんなところに

何しに来たの?

天使、さっき、

窓にぶつかってなかった?」



そうだ

最初は

鳥がぶつかったのかと思った



「うっっ

ぶつかってないぞっ!

それから

ボクの名前は

天使じゃないぞっ

サトルっていう

立派な名前があるんだっ」


私に言われて

急に痛みを思い出したように

窓ガラスにぶつかったらしい

額をさすって天使は言った





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