屋根ウラの天使



「うん、分かった…」

そう言うしか無かったから、

仕方なく約束した。


「じゃあ、約束は守ってよ」


相変わらず、さやかは冷たい目をしてた。


ふと、視線を感じた方向を見ると


いつの間にか試合が終わり、

あかりがこっちを見ていた。


…ううん、


にらんでた、ように見えた。


こうして私は、

いつもの友達とハルキくんを

秤にかけるようなことをした。


でも、仕方なかった。


しょうがないよね?


ハルキくんも、


確かに大事な友達だけど…

毎日、さやかやあかりと過ごす時間のほうが

ずっと長い。


もし、怒らせて、仲間外れにでもされたら。


ううん、


さやかのあの目。


絶対絶対、仲間外れにされるよ。



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