屋根ウラの天使
「藤田さん、
私たちの班に入らない?」
困っていると
後ろの席の子が声を掛けてくれた。
前川サチコちゃん。
さっちゃんは、
ほかに男子3人と一緒に班を作ってた。
「うん、ありがとう。」
1人ぼっちで余っちゃうよりは
ちょっとでも知ってる子と一緒の方が安心できたから
わたしはありがたく誘いを受けた。
夏休みに
「修学旅行は、3人で同じ班になろうね」って
言ったのを思い出したけど…
残りの時間を使って、
修学旅行後に班ごとに発表する
自由研究課題を考えた。
「せっかくの旅行なんだから、
勉強は抜きにしてほしいよなー」
一緒の班になった男子は
口々にそう言っていたけど
文句をブツブツ言いながらも
大きな模造紙に調べたことをまとめたらいいんじゃないか?
そんな案を出し合っていた。