屋根ウラの天使



「藤田さん、

私たちの班に入らない?」



困っていると

後ろの席の子が声を掛けてくれた。


前川サチコちゃん。

さっちゃんは、

ほかに男子3人と一緒に班を作ってた。



「うん、ありがとう。」


1人ぼっちで余っちゃうよりは

ちょっとでも知ってる子と一緒の方が安心できたから

わたしはありがたく誘いを受けた。


夏休みに

「修学旅行は、3人で同じ班になろうね」って

言ったのを思い出したけど…



残りの時間を使って、

修学旅行後に班ごとに発表する

自由研究課題を考えた。



「せっかくの旅行なんだから、

勉強は抜きにしてほしいよなー」


一緒の班になった男子は

口々にそう言っていたけど


文句をブツブツ言いながらも

大きな模造紙に調べたことをまとめたらいいんじゃないか?

そんな案を出し合っていた。



< 150 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop