屋根ウラの天使


「なっ、いいのか!?いいのか!?

どこ行ってたか、気にならないのか?」


興味ない態度取った途端、これだもんな…

まぁ、気にならなくもないけど。


「どこ行ってたか、聞いて欲しいの?」


わたしは、マンガからちょっと目を上げて天使に聞く。

すると、


「ひみつだっ!!」

とピースサインをする天使…



「あっそ…」


まんがに目を戻す。


「なんだとぅ~、かおるっ、

最近オレ様のことを適当に扱いすぎだぞっっ

さてはー、

天使のありがたみを忘れているなーっっ」



何か、天井の辺りをグルグル飛びながら、天使はわめいてる。

わたしは、あいかわらずマンガを読みながら…

ふと、ちょっと気持ちがラクになっていることに気付いた。


別に、天使に相談したわけじゃないけど。

どうでもいいことでも、天使としゃべってると楽しくて、気が晴れるんだ。


ほんとの兄弟も、こんな感じなのかな?



気が付くと、もう屋根ウラの窓からは朝日が差し込んでいて、

昨日ベッドに持っていったマンガは、ベッドの下に落ちてた。


天使も、毛布にくるまって、床でスースー寝てた。


今日も、学校。

だけど、昨日ほど嫌じゃないかも。


着替えて、学校の支度を整える。

階段を下りる前に、寝ている天使に向かって言った。


「ありがとね、天使。いってきまーす」



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