屋根ウラの天使
「ま、仕方ないよ。はぐれちゃったもんは!
すぐに見つかって良かったし。
また天使に助けられたな」
バスは15分ほど走ると、
目的地の民宿までついた。
先生に続いて、ハルキくん達と宿の玄関に向かう。
「藤田、お前どんくさいから気をつけろよな。
フラフラしてると危ないぞ。」
本田くんに、また怒られちゃった。
でも、
心配してくれたんだよね。
「はーい、ごめんなさい」
ここは素直に謝っておこう。
っていうか、本当に反省…。
「たまたま近くにいて良かったよ。
大騒ぎにならなかったし、大丈夫だよ」
ハルキくんも笑顔で慰めてくれる。
(ありがとう、天使も)
日が落ちて、ブルーが濃くなって
星がちらちら見え出した空を見上げる。
まぶしい光が見えた。
(月…?
違う、天使の輪だ…)
天使がハルキくんを連れてきてくれなかったら…
また私を助けてくれて、
きっと神様のご褒美だ。
天使は次々に
弱い私を助けてくれてるから。