屋根ウラの天使
「わたしたちも、戻ろうか。」
さっちゃんと部屋に向かおうとした瞬間、
廊下にいる2人の人影に気付いた。
あかり!
…さやか…!
今、
ハルキくんと本田くんと話してたの
見られてた…!!
どうしよう
「ハルキくんとは口をきかない」
その、約束。
私にとっては、理不尽で強引な約束。
でも、あの2人にとっては…
本気だ。
2人は、その時は私に何も言わず
ギロリと睨んだあとは
何も言わずに行ってしまった。
その夜は、上の空のまま
お風呂を済ませて、
あまり食欲がないのに
仕方なくご飯の時間に食堂に行く。
明日は、私たちの町に帰る日。
就寝時間になっても、最終日の夜ってことで
コッソリ友達の部屋に集まって、おしゃべりを楽しむ子が多かった。
私の部屋も、
寝ちゃった子一人をのぞけは、
あとは布団に荷物を詰めてアリバイ工作をしてから
別の部屋に行ってしまった。