屋根ウラの天使
その昼。
給食を食べる班で机をくっつけて、
食べてる間も
一緒の班の子たちは、まるで私がそこにいないかのように
他の子同士で話していて
私に話しかけてくる人はいない。
おかしいのは明らかだったけど
私から追求するようなことはできなかった。
そんな勇気…ないもん。
ただ、無視されてるなっていうのは分かるし
それがものすごくショックだった。
昼休み、
教室からあかりとさやかが居なくなった時、
さっちゃんが黙って私の手に
コッソリと手紙を渡した。
小さく折り畳まれた紙。
分からないように、
そっと渡すために。
私は、誰も来なそうな裏庭に行って
さっちゃんからの手紙を綺麗に伸ばした。
それにはこう書かれていた。
「かおるちゃんが休んでた昨日、
藤井さんと渡辺さんが、クラスみんなに言ったの。
『藤田かおるを無視して。
仲良くする奴は、次の無視のターゲットにするから。
あいつは、親友の好きな男子にちょっかい出して邪魔するひどい子なの。
無視されて当然よ』
女子はみんな無視されたくないし、
男子は面白がって傍観するか興味ないかだと思う。
かおるちゃん、勇気のない私を許してね。
でも、あの2人が怖いから、もうかおるちゃんとは話せない
本当にごめんなさい
さちこ」