屋根ウラの天使
翌日。
学校には行きたくないけど、
あんまり仮病を使ってパパとママに心配かけたくない。
「いってきまーす…」
沈んだ気持ちで家を出る。
学校に着くと
(今日はある…)
下駄箱にはちゃんと
自分の名前が書かれた上履きが入ってる。
ガラッ
教室の自分の席に行くと
今日は落書きが無い。
(もういい加減、飽きてくれたのかな…)
でも良く見ると
(拭いた跡…?)
触ると、確かに
絞った雑巾で拭いたような、湿った跡がある。
さっちゃん…かな…?
その日から、
クラスメートの無視は変わらなかったけど
物が無くなったり、汚されたりすることは無くなった。
私は
さっちゃんが罪悪感を感じて
私を助けてくれてるのかな、
そう思って
密かに感謝していた。
直接お礼を言いたかったけど、
私と話したら
さっちゃんまで、さやか達に嫌がらせをされちゃうかも
そう思って
黙っていた。