屋根ウラの天使



ハルキくんから…?

ハシゴで2階に降りると

パパとママの部屋に置いてある子機で電話に出る。


「藤田?

急に電話なんかして、ごめんな。

藤田のクラスにいる友達に、その…

『呪い』の噂聞いたんだけど。

あれってやっぱりお前の天使だろ?」



「あ、バレた?

私も、現場は見てないんだけど、

絶対天使なんだよね。

もー、学校に勝手に来ちゃだめって言ってるのに

でも、正直助かってるんだけどね」


電話片手に、

パパとママのベッドに腰をおろす。


「やっぱり…。

藤田、お前、クラスのやつに

嫌がらせされてるんだな」

え?

やっぱり、って…。

「だってお前、

姿が見えない天使のことがバレたら騒ぎになるって…

いつか公園で怒ってただろ?天使に」


確かに。

それは今でも困るんだけど。

先生とかは絶対信じないだろうし、

まあ、その意味では

呪いだって信じないだろうけど。


あれ?

でも、何でそれが

「やっぱり嫌がらせ」って分かったんだろ?



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