屋根ウラの天使



「藤田?

天使、連れて来てるんだなー。

なんだって?

良かったら、昼飯食べたら2人で来てよ」


「う…うん」


相変わらず、

私でもドキドキしちゃうような

優しい笑顔を見せるから

思わず返事してしまった。


ハルキくんは、

手を小さく振りながら

隣の教室に消えて行った。


やっぱり優しい。

クラスの子は

みんなさやか達が怖くて

私には話しかけてくれないから

学校で友達と話したのなんて

久しぶりだし。



嬉しくなって

笑顔になってしまう自分を押さえきれず

天井付近をついてくる天使と一緒に

鞄を取りに教室に戻ろうとすると


教室の入口を塞ぐようにして

鬼のように目のつり上がった

さやかとあかりが

立っていた…



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