屋根ウラの天使



「ちょっと来なさいよ」

冷たい視線に

背筋の凍るような

怒った声…


「え…でも」


イヤです!

って

言いたい。


でも、

2対1

教室にまばらに残っているクラスの子だって

怖くて見て見ぬふり

さっちゃんも

チラリとこちらを見たけど

申し訳なさそうに

急いで帰ってしまった


誰も助けてくれないよ


「でも、じゃないっつーの!

早く来なさいよ!」


背が高くて腕も長いさやかに

ガシッと左腕を掴まれる。


「痛…」


(かおるっ

嫌なら嫌って言うんだぞっ

こんなやつらの

言うことなんか

聞くことないんだぞーっ)

天使がジタバタしだした。
その間にも

右腕をあかりにも掴まれて
グイグイ引っ張られる。

どうやら

廊下の向かいにある

女子トイレに向かってるみたい

(かおるのバカーっ

弱虫!

かおるは何も悪いことしてないぞっ

悪いのはコイツらだぞっ)

天使は

あかりとさやかから

私を引き剥がすように

腰を掴んで

引っ張り出した



< 198 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop