屋根ウラの天使
「ちょっと来なさいよ」
冷たい視線に
背筋の凍るような
怒った声…
「え…でも」
イヤです!
って
言いたい。
でも、
2対1
教室にまばらに残っているクラスの子だって
怖くて見て見ぬふり
さっちゃんも
チラリとこちらを見たけど
申し訳なさそうに
急いで帰ってしまった
誰も助けてくれないよ
「でも、じゃないっつーの!
早く来なさいよ!」
背が高くて腕も長いさやかに
ガシッと左腕を掴まれる。
「痛…」
(かおるっ
嫌なら嫌って言うんだぞっ
こんなやつらの
言うことなんか
聞くことないんだぞーっ)
天使がジタバタしだした。
その間にも
右腕をあかりにも掴まれて
グイグイ引っ張られる。
どうやら
廊下の向かいにある
女子トイレに向かってるみたい
(かおるのバカーっ
弱虫!
かおるは何も悪いことしてないぞっ
悪いのはコイツらだぞっ)
天使は
あかりとさやかから
私を引き剥がすように
腰を掴んで
引っ張り出した