屋根ウラの天使



ハルキくん…

そんなこと言ってくれたんだ。

でも

聞こえちゃったんだね。


「ごめんね…」


「は?何でここでお前が謝んの?」


とは、本田くん。


「だって、ハルキくんは何も悪くないのに

私がちゃんと、

あの二人に言い返せなかったから…」



(かおる~

クラスの誰も助けてくれなかったんだぞ~

仕方ないぞ~

あいつら、ボクも怖いぞ~~)


天使…

ありがとう。


天使も、

本田くんも、

ハルキくんも。


「ありがとう…」


「どういたしまして!

正直、いくら可愛くても、クラスメートにあんなことする子はイヤだな。

それより

トモキにも優しくしてくれる、藤田みたいな子のほうが…」


ハルキくん

そこでハッとしたように

言葉を飲み込む。


「あれ~、

お二人はそういう関係?

そりゃ~藤井も逆恨みするわな~」


「ほ、本田くん!」


ハルキくんが好きなんて

思ってもなかったけど

そんなこと言われたら

恥ずかしくて

たぶん、

今、顔が赤いよ…

変な汗かいてきた。



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