屋根ウラの天使
「ごちそうさまでした」
パパが会社に
出かける時間だ
私もママと
玄関まで見送る
「パパ、いってらっしゃい」
「ああ、いってくるよ」
パパは
黒くて四角いかばんをもって
車に乗った
東京では
電車で通勤していたけど
ここは田舎だから
車のほうが便利
電車はあんまり来ないみたい
パパの車が見えなくなるまで
ママと一緒に見送る
「かおる、
今日もがんばって
おうちの片付けしちゃおうか。
自分のお部屋が終わったら
お外に遊びに行ってもいいわよ。
学校が始まる前に
お友達できるかもよ?」
ママは、腕まくりをしながら言った
「うん!
屋根ウラから公園が見えたの
もしかしたら
新しい小学校の子も
いるかもしれない」
答えながらも
庭にいるはずの
天使が気になって仕方ない