屋根ウラの天使




「それってやっぱり…

天使は一人前になって

いなくなっちゃうってことなのかな。


私、また

一人になっちゃうのかな」



遠い町に転校してきて

家に兄弟もいなくて

クラスにも、いない存在のようにされて



そんな中、

私だけのために

ずっと私のそばにいてくれた、天使。



いなくなったら…って考えたら

目の奥が熱くなった。



「ひどいなー、藤田。

オレも本田も

別にお前のこと無視したりしてないだろ。」



「ハルキくん…」


そっか…


「同じクラスじゃないけどさ、隣だし。

女子同士じゃないけど…

お前も、便所も友達とじゃないと行けないタイプ?

休み時間くらい、

オレらとサッカーでもすりゃいいじゃん!」




ハルキくん、ありがとう。

うれしいな。

学校で一番ほしかった…友達。



「うっ…でも

私サッカーなんてできない!

走れないし」






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