屋根ウラの天使




「さっちゃん、

どうしたの?」


「その…

無視したりして。

つい、渡辺さんたちが怖くて…



でも、

今日のトイレでの騒ぎの噂聞いて

やっぱり間違ってるのは渡辺さんたちだって思って

どうしても謝りたかったの…」



さっちゃん

手をぎゅっと握り締めて

きっと

涙をこらえてる。




さっちゃんのことなんか

いっこも怒ってないよ。


謝ることなんか

何もないよ。



「さっちゃん、ありがとう。

また、遊んでくれる?」


「かおるちゃん…

怒ってないの?

ごめんね、

ごめんね…」


涙ぐむ私たちの側で



「くくーーーーーーっ」


ついに笑いをこらえきれなくなった人

若干一名…





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