屋根ウラの天使




「ええっと…

今年最後だぞっ」


あやしい…

でも


言葉でいくら否定しても

私にはわかってるよ。


今、ここの屋根ウラでも

天使の頭上にはずっと

美しい輪っかが光っている。



一人前になったら

天国へ帰るんだもんね。

きっと天使にとっては

いいことなんだ。



「天使ー、

明日、トモキくんと遊びたくない?」


「ええっ

ホントかーーーっ

行くぞ行くぞっ

公園いくぞーっ」



大好きなマンガ誌からは手を離さないけど

目を期待に輝かせて、こちらを見る。



「明日はね、公園じゃないんだけど」


「なにーっ。

がびーん」


まだ

変な影響続いてるし

なに、がびーんて…




< 219 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop