屋根ウラの天使



カタン


夜中に、小さな音に気づいた。

完全には起きてなくて

ウトウトしたかんじ。



パパが、プレゼントを持ってきてくれたのかな?


最初は

ボーっとする頭の中でそう考えたんだけど



パタン



と窓の閉まる音がしたから



天使だ、って気づいた。



昼から姿が見えなかったから、

帰ってきて入ってこられるように

窓のカギをあけといたんだ。



田舎町、

月と星以外には

窓から入ってくる光はわずか。


その薄暗い屋根ウラにひときわ明るく輝くのは

天使の輪だ。





「かおる、起こしちゃったか?」


いつもは無駄に元気に飛び回る天使が

ふよふよとゆっくり

私の腰掛けるベッドまで近づいてきた。



「ううん、パパが

プレゼント持って来てくれたかと思ったの」


天使は私の横に

ぽすっと座った。




< 222 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop