屋根ウラの天使
カタン
夜中に、小さな音に気づいた。
完全には起きてなくて
ウトウトしたかんじ。
パパが、プレゼントを持ってきてくれたのかな?
最初は
ボーっとする頭の中でそう考えたんだけど
パタン
と窓の閉まる音がしたから
あ
天使だ、って気づいた。
昼から姿が見えなかったから、
帰ってきて入ってこられるように
窓のカギをあけといたんだ。
田舎町、
月と星以外には
窓から入ってくる光はわずか。
その薄暗い屋根ウラにひときわ明るく輝くのは
天使の輪だ。
「かおる、起こしちゃったか?」
いつもは無駄に元気に飛び回る天使が
ふよふよとゆっくり
私の腰掛けるベッドまで近づいてきた。
「ううん、パパが
プレゼント持って来てくれたかと思ったの」
天使は私の横に
ぽすっと座った。