屋根ウラの天使
「天国に、帰るんだね、天使」
うすうす気づいていた。
ううん、かなりハッキリと
予感していた。
きっと天使もさびしいから
言い出しにくいんだ。
私はお姉ちゃんだから
だから
先に切り出した。
「かおるーーーっ」
あれれ
ガラにもなく、
天使の目もウルウルしてる。
「一人前になれたの?」
視線を輪っかに向けながら言う。
「…うん。
カミサマがなっ
ボクの仕事は終わったって
おめでとうって言ってくれたんだぞっ
ほめられたんだぞっ
わっかも出たぞっ」
こんな時まで
偉そうに…
ううん、本当に偉かったね。
私をこんなに助けてくれたもんね。