屋根ウラの天使
「人の役に立つ、ってやつでしょ?
私のこと、いろいろ助けてくれたもんね。
ありがとう。」
たぶん、もう
3学期からは
一人でだいじょうぶ。
えっと、まるっきり一人ってわけじゃなくて
本当の友達もできたから。
「トイレのことは
ほんとはマグレだったぞっ
夢中だったんだ。
ボクも昔、同じようなことあった。
だから、何かせずにいられなかったんだ。
…ボクも…」
天使は
俯いていて
表情は見えなかった。
でも、
きっと悲しいことがあったんだ。
それだけは、わかった。
「天使?
同じってまさか…」
嫌がらせとかされてた、ってこと?
「天使も昔、
人間だったの?
それで学校で…?」
「うん。
ボクもトイレで水かけられたりした。
上履きもいつも無かった。
だから、
かおるのを必死で
探したんだ。」