屋根ウラの天使




「ボクも最初は

カミサマに言ったぞっ

ボクはいじめなんかもう見たくない、

助けるのも無理だって」


天使は、

鼻息を粗げる。


「でも

やってみたら大丈夫だったぞっ

かおると友達になって

トモキと友達になって

修学旅行にも行けたぞっ!」


そっか。

天使は、自分の修学旅行に

行けなかったんだね。


「かおるのマンガコレクションも

制覇できたしなっ!」


「そこかいっ」



頭の中に寂しさがどんどん入り込んで

身体中が寂しさでいっぱいになって

涙になって溢れてきそうになったけど


まるっきり普段のままの天使に、いつも通りのツッコミを入れ


カミサマが私たちに許した時間は


本当に終わろうとしていた。



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