屋根ウラの天使
「じゃあなっ
かおるっ」
天使は屋根ウラの窓を開いて、
窓の外にふわりと出ると
最後に
窓際まで追いかけた私を振り返る。
「天使、…」
友達になってくれてありがとう、
ひとりぼっちの時にそばにいてくれてありがとう。
色んなありがとうが次々に浮かんだけど
うまく言葉にできなかった。
「かおる、これは二人だけのヒミツだぞっ」
月明かりしかないから
良くは見えないけれど
天使の瞳も
頭上の輪に負けないくらい
キラキラと輝いていた。
涙のせい?
それとも…