屋根ウラの天使
パタパタと
他の男の子たちも
私のいるブランコのほうに
やってきた
「バ、バーカ、
魔女なんているわけねーだろ
バカトモキー」
男の子たちは
口をそろえて強がりつつ
しっかりと「トモキ」の後ろに
隠れていた
「おねえちゃんは
魔女じゃないよ。
ここの近所に新しく引っ越してきた
かおるっていうの」
「かおるおねえちゃん
魔女じゃなかったら
手品がうまいの?」
「トモキ」と呼ばれた子が
相変わらず
驚きで大きく開かれた瞳で
私に言った
「私は魔法も手品も使えないけど
そこの浮いてるボールのとこに
天使がいるんだよね」