屋根ウラの天使
「おにいちゃん!」
トモキくんは
<おにいちゃん>の姿を見つけると
たった今まで夢中になっていた
ボールを放り投げて
おにいちゃんに飛びついた
「トモキー、
暗くなる前に帰って来いって
お母さんにも言われてるだろ?
もう夕飯だぞ」
こちらに歩いてきたのは
私と同い年くらいの男の子。
既に暗くなってることに気づいた
周りの子達も
「じゃぁ、また明日なー」
と言いながら
解散していった
「魔女のおねえちゃん、
天使、
バイバーイ!!」
また、天使のような笑顔で
トモキくんは左手をブンブン振った
右手はシッカリと
おにいちゃんの手をつかんでいた
兄弟、仲いいんだね?
一人っ子の私は
ちょっと羨ましく
2人の姿を眺めていた