屋根ウラの天使



「おにいちゃん!」


トモキくんは

<おにいちゃん>の姿を見つけると


たった今まで夢中になっていた

ボールを放り投げて

おにいちゃんに飛びついた



「トモキー、

暗くなる前に帰って来いって

お母さんにも言われてるだろ?

もう夕飯だぞ」


こちらに歩いてきたのは

私と同い年くらいの男の子。



既に暗くなってることに気づいた

周りの子達も

「じゃぁ、また明日なー」

と言いながら

解散していった




「魔女のおねえちゃん、

天使、

バイバーイ!!」


また、天使のような笑顔で

トモキくんは左手をブンブン振った

右手はシッカリと

おにいちゃんの手をつかんでいた



兄弟、仲いいんだね?

一人っ子の私は

ちょっと羨ましく

2人の姿を眺めていた







< 44 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop