屋根ウラの天使



「かおるーーーっ」

屋根ウラに上がるなり

天使が突進してきた



体当たりされたらかなわない

私はひょいっと避けた

天使は空中で

キキーッと急ブレーキ


「何で避けるんだーーーっ!

自分だけプールに行って

ずるいぞっ

今日はつまらなかったぞっ」


天使は

いじけた顔を見せた



「ごめんごめん

明日は一緒に公園に行こうか」


「いいのかーーーっ」


数秒前までいじけていた天使

公園に行けると聞くなり

表情がぱあっと明るくなる


「天使、

人間の役に立つお仕事は

もういいの?」


私はからかってみる

どう見てもこの天使は

天国のお仕事を果たしているとは思えない






< 78 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop