屋根ウラの天使
「はしゃいで無駄に動くからでしょ!」
上目遣いに
弟みたいな天使をたしなめる
昼間は気温が高くて
みんなクーラーの効いた室内にいるのか
住宅街は閑散としている
だから
大声で天使に話しかけても
頭がおかしいと思われる心配も少ないんだ
公園までの道には人が見られなかったけど
公園に着くともちろん、
夏休み中の子供たちでいっぱいだ
「あーーーーーっ、
こないだの子たちだぞーーー」
天使は喜んで
空中で3回連続宙返りをしてる
「とりゃーーーっ」
天使が、宙に舞うボールを取ろうと
猛スピードで飛んでゆく
「こらっ、天使ーっ」
という声もむなしく
すでに天使は
赤いゴムボールをキャッチしていた