屋根ウラの天使
カタッ…
鍵を外して
窓を開ける
3階だから
けっこう高い
勇気を出して
ちょっと顔を出す
ふと
下を見ると
人影があった
リュックを背負っているのか
背中に大きな影が見えた
「……!!!」
人間
驚きすぎると
とっさに悲鳴も出ないものだ
とにかく
一旦、部屋に首を引っ込める
(何!?
いまの
ドロボウ?)
窓の下に
ヘタリと座り込んだ私は
心臓がドクドクして
体の中から自分を揺らすような感覚に
息もできずにいた
「おっかしいなぁー?
ボク
人間には
見えないはずなのに――」
さび付いたものを動かすように
ゆっくりと顔を上げると
窓の外に
男の子がいた