屋根ウラの天使
「おねえちゃんと天使は
もう帰るんだよ。
僕たちももうかえろ!」
他の子供達ももう
それぞれ家路についていた。
屈託の無い笑顔で
大好きなお兄ちゃんに
笑いかけるトモキくん。
でも
この時ばかりはわたしの心の中
「ヤメテー」の3文字を連発
「天使?
まーたそんなこと言ってるのか?
もうすぐ夕飯だし帰るぞ」
ハルキくんが弟の手をつなぐ。
全く取り合わないハルキくんに
わたしはホッとする。
そうだよね、
6年生にもなったらもう
天使もサンタも信じないよね。
「天使いるもん!
ねー天使!」
トモキくんは手にしたボールを
上空に放る
「うおー」
遊び終わってまだ興奮気味の天使が
ボールをキャッチ