空色

もう部活もなく、始業式の準備をしていた私は、気分転換にベランダへ出た。


空が好き。


同じくらい君も好き。


空を見ていると、君を思い出す。


あの時したこと。
あの時話したこと。

笑った顔。
怒った顔。

そして時々見せる、君の寂しそうな顔。


”魁って悩みなさそうだよね!”


いつも浮かれてる君だから、つい聞いてしまったんだ。


”俺にだって悩みくらいあるよ!”


笑ってたけど、どっか寂しそうだった。


きっと私のことで、悩んでたんだ。
今ならそう確信できる。


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