【完】先生と恋をしましょう!
「あら、おはよ」
「行ってくるから」
「今日も遅いから、のんびり友達と遊んで来なさい。戸締まりはきちんとね」
「わかった」
さっさと家を出て行く。
お母さんの言葉は、毎日変わらない。
まるで、ドラマのワンシーンのように機械的な言葉。
聞きたくないって思うのに、言えない。
だって、私はあの人たちに本当の姿を見せたことがないから。
今日は、始業式。
青空は、澄み渡っていて気持ちいい。
学校に近くなると、ガヤガヤと声が聞こえてくる。
おはよう、なんて誰と交わすこともなくクラスの名簿に目を向けた。