嘘つき①【-ハジマリ-】
向かった先は、部長のイメージぴったりな高級レストラン…じゃなくて昔ながらの居酒屋だった。いや、こっちの方が落ち着くしいいんだけど、
「なんか、意外です」
その言葉通り。
だけど部長は「そうか?」なんて軽くおっしゃってくれる。
どこにいても、綺麗な男の人は絵になる。こんな人と食事をするなんてあたしの人生にあっていいのかな?
なんてぼんやり考えながら、目の前に座る彼の箸を持つ手が綺麗だな、と思った。
「…部長」
「なんだ」
「あの話なんですけど…」
この間の問題、
解決しないと、息をする事さえ、危うい。