嘘つき①【-ハジマリ-】

-抱いて下さい-


半ば放心した思考は飽和状態で、あたしは浮かんでは消えるふわふわした感情と、居心地の悪い緊張感にクラクラする。


部長の、



近づく気配がして、あたしはゆっくり顔をあげる。




見上げると同時に、



「ひゃっっ」



おでこにちょこんと乗っけられたのは、



「…氷?」



そう、氷袋。



あたしの顔、今多分、かなり疑問文だ。


< 28 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop