嘘つき①【-ハジマリ-】
ガラス玉みたいな透明で淡い瞳は、少し見開かれて、あたしを真っ直ぐ見つめる。
あたしは見つめ返せているのだろうか。
熱い頭じゃ、考えられない。
もう、戻れない。
部長は、フゥと短く吐息を漏らす。それが何を表すのか分からなくて体が緊張する。
もう、戻れない、だから引けない。
「…いらなくなったら、捨てて下さい」
ここまで捨て身でぶつかった事、多分今までで一度もない。
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