嘘つき①【-ハジマリ-】
-嘘の関係-
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結局、あのまま眠ってしまったみたいで、まだぼんやりとする視界に、暗闇に慣れない目で辺りを見回した。
規則正しく揺れる広い胸はあたしをベッドに置いて横のソファで静かに寝息を立てる。
「芹沢、…愁哉さん」
そっと近付いて彼の寝顔に名前を落とす。
その薄い唇に、あたしはそっと口付けた。
あんなにみっともない事をしたのに、結局、
心まで綺麗に捕らわれた。
元々、意味もなく惹かれていたのは確かだけど。
そんなんじゃなくて
…触れたら駄目だったんだ。
その冷めた感情が
欲しくて
欲しくて
仕方なくなる。
好き。
溜め息と一緒に、小さく落ちそうになった言葉は、すぐに吸い込む。
言える訳ない。
左指のリングはあたしを恨めしそうに睨む。
結局、あのまま眠ってしまったみたいで、まだぼんやりとする視界に、暗闇に慣れない目で辺りを見回した。
規則正しく揺れる広い胸はあたしをベッドに置いて横のソファで静かに寝息を立てる。
「芹沢、…愁哉さん」
そっと近付いて彼の寝顔に名前を落とす。
その薄い唇に、あたしはそっと口付けた。
あんなにみっともない事をしたのに、結局、
心まで綺麗に捕らわれた。
元々、意味もなく惹かれていたのは確かだけど。
そんなんじゃなくて
…触れたら駄目だったんだ。
その冷めた感情が
欲しくて
欲しくて
仕方なくなる。
好き。
溜め息と一緒に、小さく落ちそうになった言葉は、すぐに吸い込む。
言える訳ない。
左指のリングはあたしを恨めしそうに睨む。