嘘。『彼』

「うん。なかなかｲｹﾒﾝだったぁ〜」




「沙良さんっ！凌也は私のですっ！」



りおちゃんが膨れて私の顔を見る。



「ﾊﾊﾊﾊ…別にｲｹﾒﾝって言っただけじゃん！」



膨れたりおちゃんの顔を見て私は笑った。




「りお〜凌也は物じゃねぇょ！」



鮎が、りおちゃんの頭を撫でた。



鮎は姉御っぽいタイプだ。



「しかもホストだょ！」



「ってかもう前の男はいいのかょ」



茶化すように、他の女の子も割って声を入れてきた。



「もぉ〜うるさぁぁぃ！凌也は凌也なのっ！」



皆に次から次にツッコミを入れられ、りおちゃんはスネテしまった。




私達はそれをみて笑っていた。



りおちゃんはよくイジラレるキャラでみんなに可愛がられていた。







そんないつも、笑顔のりおちゃんが笑顔をみせなくなるなんて――







この時は思いもしなかった――