嘘。『彼』
開店したばっかりだからなのか、まだお店はガランとしている。




朝礼が終わり、相変わらず、りおちゃんが、イジラレていた。




「でもかっこぃぃんですもんっ!!」




いつの間にか、りおちゃんは開き直って笑顔でノロケていた。





「ホストにハマる女とか定番じゃん〜」



「バカみたぃ〜」



私の頭の後ろで、古株のねぇさん達がヒソヒソと笑いながら愚痴を言ってるのが聞こえた。




まぁ…人それぞれだしね…



私は、りおちゃんを遠くから見つめていた。




どことなく冷めた目で…










「沙良さん、りおさんお願いしまぁ〜す。」




「はぁぃ。」



今日はやけに早いなぁ…

りおちゃんと同じお客さんって誰だっけ…



私は頭の中で、カタカタカタと客データを探っていた。



私は笑顔を作って、フロアーに出る。






「失礼しまぁ…ぁっ。」




「あぁぁ凌也っ!!」




りおちゃんの黄色い声が響いた。




凌也と昨日最後に見送ってくれたホスト。




りおちゃんは喜んで、凌也にぴったりくっついた。



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