嘘。『彼』
「あぁ〜うるさぃっ!ちょっと遅くなるっただけで、ワァワァ言うんだから〜」



電話が終わった南はいつもの調子に戻っていた。




「心配なんじゃなぃ?」



「たまにはゆっくりさせろってぇの〜」



南がタバコを吹かす。



「あんたいつもゆっくりしてんじゃん!」




「そっかっ!」




お互い笑いながら、その日は店の閉店時間まで飲み明かした。




気ずくともう時計は朝の五時過ぎ。





「やばっもう五時じゃん!?こぅくんに怒られる!」


「ばぃきぃ〜ん」







店を出ると南は、さっさとタクシーに乗って帰って行った。





私は一人、もう閉店間際のショットバーに駆け込んだ。




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