嘘。『彼』
ガチャンっ!!



「おぃぉぃ〜!」



「きゃぁぁ〜ごめんなさぁぁぃ!!」



何かが割れた音がして、その音の方を振り向くと、りおちゃんがグラスを落として割っていた。



必死に謝ってる姿のりおちゃん。



今日でもう三度目だ。




最近ボーッとしている事が多い。



髪やネイルの手入れも、全くやる気がみえなかった。



気になりはつつも、あんまり深入りはせず遠くから見ていたけど、その日りおちゃんから、話し掛けてきた。







「沙良さん…今日ちょっと終わって話し出来ますか?」




虚ろな目のりおちゃんは、以前のキラキラした瞳ではなく、どこか遠くを見てるみたいで焦点が定まってない。




「分かった〜じゃぁ終わったら居酒屋でもぃく?」




「はぃ…」




か細い声で、りおちゃんはトイレに消えた。




次にトイレからもどって来た時、目を真っ赤にして…




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