嘘。『彼』
「付き合いたいって言ったとか?」



「言ったけど…なんかイマイチよく分からなくて…」



きっとりおちゃんは、気ずいてるはずなんだ…




凌也とは客とホストの関係以上になれないって。




でも、ベッドの中での凌也との距離を信じたい気持がある。


好きだから、信じたい気持を消せないでいる。


でも、心の中の大きな不安は絶対に消せない。


「店には今でも行ってるの?」





「はぃ…もぅ行っちゃイケないと思っても…会いたくて行ってしまうんです…最初は楽しかったけど、今は、凌也を見ると辛い…でも行っちゃうんです…馬鹿だと思うかもしれなぃでしょぅけど…」




「…」




私は何も言えなかった。


もう行ってはダメだと、店に通わなくなれば、凌也の気持が分かるなんて、そう思うけど、何も言えない。




それに、別にりおちゃんが馬鹿だとも思わなかった。

好きになった相手がホストだっただけ。


でもそんな期待できる相手では無いのは確かだから、軽い気持では言えない…



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