嘘。『彼』
体が重なるのも、そう時間はかからなかった。




「味噌汁が食べたい」




何て、可愛く言う雅人のために、味噌汁を作って、仕事の終わりを待ってた。










「亜紀子?ぉ〜ぃ?」



「ぇっ?」



「何ぼぉっとしてんの?まぁいつもの事だけど〜ふぁぁあ〜」



雅人との昔の事を少しだけ思い出してたら、あくびしながら雅人が突っ込んできた。



今の雅人は口数が少ない。


そしてよく笑う―



言葉の間を持たせる様に―


完全に、私と雅人の間に壁があるの分かってた。



私も作り笑いで微笑み返す。




「ねぇ…きっと私が明日死んでも雅人には分からないんだろうね。」




私はポツリと言った。




「あぁ〜俺も寝る前とかに考える!!俺が死んだらお客さん葬式来てくれるのかなぁ〜っ…とか!」




「お客さん…ね…」





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