嘘。『彼』
店を出るとモワッと湿気が、体にまとわりつく。





今日は歩いて帰ろうかな…


私の家は街から凄く近い。

タクシーでも、ワンメーターくらいだった。


ゆっくり歩いていると、目の前をりおちゃんが歩いてた。



泣きじゃくり、人の目も気にせず歩いている。



トッさに隠れて、気ずかれなかったけど、りおちゃんから目が離せなかった私が居た。



いつも見ているりおちゃんだったけど、遠くから見ると、店に入ってきたばっかりのりおちゃんとは、程遠い。




少しポッチャリで可愛いらしかった、面影は無くて、いつの間にか体はガリガリに痩せていた。




いつの間にこんなに…




私はやっぱり声を掛けられずに、ただ通り過ぎるのを見ていた。






そしてりおちゃんを見たのはこの日で最後―





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