嘘。『彼』
結局大事を取って、今日は早退することにした。



早退なんて2年働いて初めてだぁ…



私は今の店では、当欠や、早退は滅多にしなかった。


だぁあぁ…



体がだるい…



目の前が朦朧としてる。



あの角にある薬局で薬買って帰ろう…



私はダルい体を引きずりながら、薬局まで必死に歩いた。




それにしてもこの時間街を歩くの久々…




キャッチに出てるホストやスカウトがウヨウヨしてるなぁ…



―――








頭が……





クラクラする…





寒くて震えてるのに、私の体からは、冷や汗が流れ落ちた…






「さぶっ…」


鼻水もすすり私の体は忙しい。


いつもなら近い距離も今日は何故か遠いし……





目の前に通り過ぎる人々がスローに見えた。






「雅……人?」



こんな状態でも人ゴミの中でも、私は雅人を見つけられ…るん…だ…




―――……

















「亜紀子っ!!!」











雅人の声…



―――




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