嘘。『彼』
「ん…っ…」




「亜紀子っ?」


「まだ起こすなよ…!」


「でも…」








眩しい…


私はブルッと身震いがして、目を開けた。



「ぉっ!起きた〜はぁ〜まぢビビったぁ〜」



「……」





「ぉぃっ!大丈夫かょ?」





ぇっ…






目の前には、雅人が居た。





「どうした…の?」







「どうしたのじゃねぇ〜ょ〜お前が歩いてると思ったら、イキナリ、ブッ倒れるからまじビビったょ!」








「ここどこ…?」



私は辺りを見回した。



「店だょ。店の裏っ。担いできたんだょ。そのまま放置もまずいだろ?」




「まじで…」


私はビックリした。



「つーかお前軽すぎだろ。飯食ってんの?」





……






「ぉ〜ぃ?聞いてるのかぁ?」








私の頭はうまく働かない…





こんな普通の雅人の姿を見たのは何年振りだろう…





昔、雅人が特別優しい日があった。



それは私が、熱を出して風邪を引いた時。



いつも以上に雅人は私を特別に扱ってくれた。



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