嘘。『彼』
ブーブーブー―
ブーブーブー…



「んっ…」



頭横で携帯のバイブが鳴る。




ピッ




「はぁぃ…」



<南だょ!熱下がらないんだって?大丈夫?何か買って行こうかぁ?>



「へぇ…き…」



<つーかまぢ声死んでんだけど。取りあえずぃまからぃくから!>



ガチャッ―




一方的に電話を切られた。







「亜紀子〜?電気付けるょ〜?」



「まぶし…」



「あんた鍵しとかないと〜不用心なぁ〜」



「ぅ…ん」



「熱まだあんじゃん!?」



南の冷たい手が私のオデコに重なる。




「ぅ…ん。雅人にぁぃたぃ…」




「……」





「あんた…まだ雅人…?」




「ぅ…――」




私は誰か来た安心感でそのまま、また眠りに堕ちた。




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